赤外線補聴システムについて

赤外線補聴システムについて

赤外線を用いた補聴支援システム

概要
 赤外線補聴システムは、赤外線を用いた難聴者のコミュニケーションを支援するシステムです。マイク等からの入力音声をFM変調し、赤外線に変換して放射し、放射されたその情報を専用の赤外線レシーバーで受信します。
 このシステムは赤外線コントロールアンプ、赤外線ラジエター、赤外線レシーバーの3つのユニットから成り立っています。
 赤外線レシーバーを装着すると、赤外線ラジエターの照射エリア内では、どの場所でも均一に明瞭な音声を聞くことができます。
 赤外線補聴システムを使うことによって周囲の騒音や残響等の影響を受けにくくなり、離れた場所からの音声も明瞭に聞けるようになります。
 
システムの構成
 赤外線コントロールアンプはマイク等からの音声信号を調整、周波数を変調し、赤外線ラジエターに供給します。
 赤外線ラジエターは赤外線コントロールアンプから送られてきた電気信号を赤外線に変換して放出するユニットです。
 赤外線レシーバーは専用の赤外線受信器で、赤外線ラジエターからの赤外線を受信し、音声に変換します。オープンイヤホンで直接聞くことができる他、誘導コイルあるいは外部入力を介して補聴器で聞くことが可能です。
 
赤外線ラジエターの設置場所
 赤外線ラジエターは天井、壁などに取付金具を用いて取り付けます。
  • 一般の室内ではなるべく高い位置に取り付けます。
  • 上側から下方向に向かって照射するように取り付けます。
  • 赤外線ラジエターからの照射が壁の反射などにより部屋内に均一になるように、また柱などの陰によるデッドポイントをできるだけ少なくするように部屋の図面などで設置場所を工夫します。

 多くの場合、大きなホールなどでは高い天井・色調の暗い壁が使われていて、赤外線の反射はあまり期待できません。赤外線ラジエターの取り付け場所もこの ようなホールの天井では位置が高すぎるため、壁などに取り付けるようにし、その高さも3~5m位の位置にします。
 

赤外線ラジエター設置参考例
天井・壁への取り付け、
スタンド使用
 また、観客席が多数並んでいるホールなどで、階段状でなく、特に平面的に座席が配置されている場合、席に向かって前方から赤外線を照射したのでは前に座る人の影でうまく受光できないことがあります。
 このような場合には、図のように座席列の横方向から赤外線を照射し、赤外線が前席の人の影で妨げられるのをできるだけ回避するように赤外線ラジエターを設置する方法も考えられます。

座席の横方向からの照射例

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