聴覚に訴えかける補聴器

人の聞こえは雑音の多い場所では、周りの音に影響されて聞き取りが低下します。感音難聴になりますとその聞き取り能力が更に低下することがあります。 これには周波数選択性能力の低下(様々な音の中から必要な音をピックアップする力)が関わっていると言われています。
現在、様々な補聴器メーカーが雑音抑制機能を開発して補聴器に搭載しておりますが、特に感音難聴者に現れる周波数選択性の劣化に対応する技術は用いられていませんでした。リオネット補聴器は2002年よりその研究を開始、その研究成果を学会等で発表を行い2009年ついに、低下した周波数選択性の能力に対応する補聴器「リオネットROSE」の開発・販売に結びつけたのです。 2011年には「リオネットROSE」が大幅な改良を受けて更に進化した「リオネットROSEⅡ」が登場し、より快適な聞こえと使い心地を追及して、もっと会話を楽しんでいただくために「リオネットプレシアⅡ」が誕生しました。
リオネットプレシアⅡに求められる物
リオネットプレシアⅡは「補聴器に必要な機能は何か?」、原点を見つめなおし開発された補聴器です。人はおもに、音声によるコミュニケーションに不都合を感じた時に補聴器を必要とします。 つまり、「コミュニケーション=会話」と考えます。 雑音下での会話においては雑音を抑えることも重要ですが、音声の特徴を強調することも重要な課題となります。内耳機能の一つでもある周波数選択性、その能力が低下する場合において補聴器ができる事について新しい視点で見つめ開発が行われました。
周波数選択性能力の低下とは?
内耳には音を分解する機能があり、感音難聴になるとその機能が低下するといわれています。例えば、ピアノを弾く時は複数のけん盤を同時に叩いて音をつくることができます。内耳では反対にその音から各々のけん盤の音に分解する能力があることが知られています。つまり、分解する過程において、内耳には様々な音を抽出するフィルタがたくさんあると置き換えて考える事が出来ます。ここで言うフィルタとはコーヒーメーカーなどで使用されるドリップ用のフィルタと同じ意味で、必要なもの(コーヒー)を抽出する働きとお考えください。耳にあるフィルタなので「聴覚フィルタ」と呼ばれています。感音難聴になるとこのフィルタの目が粗くなり、必要でない音も通過させてしまう現象が生じてしまいます。その結果、会話音以外に不要な音がある騒音下において、よりいっそう聞き取りの低下が起こります。音の高い低いは周波数という用語で表わされ、その必要な音が選択できなくなることから「周波数選択性能力が低下している」と言われています。
「リオネットプレシアⅡ」はその目が粗くなったフィルタでも必要な音以外の音があまり通過しないように、補聴器から出力する音を技術的に加工しているのです。この音はフィルタの機能が低下した方の場合に効果を発揮し、低下していない方が聞いても違いはあまりわかりません。
日本のリオンが開発した技術「サウンドスペクトルシェイピング」(リオネットプレシアⅡに搭載)

周波数選択性の考え方は30年以上前から存在しています。感音難聴の場合に周波数選択性の能力が低下していることも確認されていました。しかし、あくまでも研究レベルで、臨床の現場で調査するためには、多くの時間、複雑な機材が必要となるのです。周波数選択性の低下度合いを、お客様にご負担をかけずいかに短時間で測定できるか?
その測定結果から補聴器でどのような音を作りだすことでコミュニケーション改善に繋がるのか?その答えをリオネット補聴器は「リオネットプレシアⅡ」を通じて私たちに提案しています。